『暮しの手帖』86号「電力は選ぶ時代」に異議あり! 

らいてうの家所在地のあずまや高原に突然浮上した大規模太陽光発電問題は、昨年12月から動きがあり、事業主のHJアセット・マネジメント社が当初の「2017年4月着工」の予定を延期して「簡易アセスメント」実施を通告してきました。依頼されてアセスを実施するのは「NPO法人地域づくり工房」で、「シミュレーションによる影響調査」を行い、事業者が一方的に工事を始めるのではなく、住民サイドと話し合ってよりよい太陽光発電を実行しようという方向性を持っていると思われます。

「意見を」と要請されたので、私たちはなぜ反対なのかを詳細に書いた意見書を年末に送りました。「応答を待つ」と言いましたが、まだ応答はありません。わたしたちは事業者と話し合って折り合いをつける(アセット社からは「パネルの数を減らしてもいい」「目隠しの木を多く植える」といった提案もありましたが、会としては応じていません)意思はなく、らいてうの家の目の前にソーラーパネル林立の危険性と、この地域の自然と歴史を愛してきたものとして納得できないこと、さらにパネル自体が処理できない産業廃棄物になる恐れ等を含めて「反対」であることを訴えています。

そこで本題です。1月に発売された『暮しの手帖』86号(今年の2-3月号)で「電力は選ぶ時代」という特集を組んでいますが、そこでは「再生可能エネルギー」の旗手としての太陽光発電を推奨し新電力会社を選ぶように勧めています。

この記事の問題点は

①原発やCO2排出の石油や石炭燃料批判の視点は良いのですが、太陽光発電が森や里山を壊し、地域住民の生活環境を悪化させるようなところにメガソーラーとして展開されている現状に触れていない。

②ソーラーパネルの持つ「循環不能な産業廃棄物」化の危険性についても触れていない。

③ソーラーパネル設置をめぐって各地で広がっている「反対運動」がなぜ出ているのかという実態に全く触れていない。

といった問題点があり、しかも驚いたことに、あずまや高原の場合も実際の設備設置の中心になっているLOOOPという新電力推進企業を「有望株」であるかのように紹介しています。

わたしたちはすでにあずまや高原の計画は地域とまったく接点を持たず、かかわる企業も総て長野県外(シンガポールに本社のある親会社を含む)ということで市民運動として行われている「地域を豊かにする」方向を持っていないことを指摘、それを推進しているということから、事業者であるアセット社とLOOOPへの疑問も呈してきました。現在長野県下ではLOOOPがかかわっている計画がほかにもあり、いずれも大規模な森林伐採等を行うところから地域住民が反対しています。そのような企業を、太陽光発電だからというだけで推奨していいのか、それは「企業に妥協せず、自分たちで調べた結果で消費者を守るとしてきた花森安治以来の同誌のスタンスに反するのではないか」と考えます。

そこへ、新たな事態が起こりました。長野県諏訪市でLOOOPが計画中の巨大メガソーラーは、大規模な森林伐採や洪水被害の恐れ等により住民の反対が起っていますが、当初ここに「パワー シフト キャンペーン」という環境保護団体が、「住民によく説明すべき」というアドバイスをしたそうです。しかし住民側はそのことにも反発、修正しても計画は受け入れないという意見が出たと言いますが、このほど当の「パワー シフト キャンペーン」がLOOOPに対し「この計画は自然環境を悪化させ、住民のなっとくが得られないから白紙に返すべき」という要望書をプレスリリースしたということです。

以上の経過は、LOOOPが「再生可能エネルギー」という大義名分のもとで、じつは地域の生活や環境を破壊する計画であっても実施しようとするのだということを如実に物語っていると思います。なお、「パワー シフト キャンペーン」の「要望書」は、巨大発電装置が引き起こす地域破壊に歯止めをかけようという点では評価できますが、巨大開発には異議を唱えているけれど、らいてうの家のように「巨大」ではなく(でも21,000㎡でパネルは3800枚です)、「大規模な森林伐採」がなければいいのでしょうか。事業者は、「この土地は開発済みでみっともない土地(ugly  piece of land)と言いました。わたしたちが自然を大事にし、木を植え、育ててきた土地を。「パワー シフト キャンペーン」には有名な環境保護団体グリーンピース・ジャパンをはじめ原水禁などの市民団体、主婦連やふぇみん婦人民主クラブなどの賛同団体として参加しています。そこがあずまや高原の場合のようなケースをどう見るか、わたしたちは危惧せざるを得ません。

以上、「太陽光発電になぜ反対するの?」という声も聞くなかでわたしたちは「自分たちの目の前だから困る」というだけではない、太陽光発電が今の日本で国策として推進されているなかで起った矛盾について見据えるべきではないかと思っています。近々刊行される長野県で発行されているミニコミ誌『たぁくらたぁ』に、米田個人の意見としてですが「人間の生き方と太陽光発電を考える」という一文を寄稿しました。読んでくださる方はご連絡ください。500円だそうです。送料当方負担でお送りします。

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