「鎮魂―アウシュビッツ・フクシマの能」―白河のアウシュヴィッツ平和博物館開館15周年記念新作能を観に行きませんか? 1

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5月20日午後2時から開演です。

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解説

福島県白河にある「アウシュヴィッツ平和博物館」が開館15周年を迎えるそうです。「らいてうの家」と比べてはいけませんが、共通点は「平和」がテーマであることと、純然たる民間施設であるという点です。「常設展示する」ことを条件にアウシュヴィッツの遺品を日本に引き取った青木進々さんが急逝して存続が危ぶまれたとき、メンバーは若き事務局員だった小渕真理さんを館長に推し立てて白河に古民家移築というかたちで博物館を建設、小渕さんはそこに住みこんで、記念館を支えてきました。

わたしは、山梨の女子短大を定年退職する直前の1999年冬、学生と一緒にアウシュヴィッツを訪問しました。教授会では「一般教養の授業で学生をそんなところに連れて行くとは」とモーレツな反対があったのですが、賛成してくれた先生方や「授業の一環として行く」とシラバス(授業計画)に書いておいたので「公表したものは実施されなくてはならない」という「公式主義」の事務局長の意見などがあって実行することが出来たのです。もちろん費用は自費。わたしも全額自己負担で行きました。大手の旅行社を飛び出して「自分も行きたいところへ」と儲からないツアーをはじめた旅行社と知り合って値切り倒し、学生は夏にアルバイトでお金を貯めるというので、寒い冬休みに(旅費も安かったし)行ったのです。行けない事情の学生は国内のホロコースト記念館や資料館を訪ねることにし、それも全部付き合いました。その涙ぐましい経験と、その旅で短大の女子学生たちが何を経験し何を学んだかは、小著『女たちが戦争に向き合うとき―私・記憶・平和の選択』というブックレットに書きましたので、それに譲ります(わたしの著書はもう全部絶版で、これだけが「売れ残って」いるのです)。

それから間もなく、アウシュヴィッツ平和博物館が栃木県の矢板で借りていた貨車(コンテナ?)の展示場が借用期限を過ぎてしまい、行先に難儀しているという新聞記事を読んで出かけたのが、こことのつながりの始まりでした。地主さんのご好意で福島県白河の山林を借りることになったと聞いて、その予定地での集まりにも行きました。じつはその時すでに「らいてうの家」をあずまや高原に建てようという話が始まっていて、公的支援なしでどうやって建設するか悩んでいたときでした。現場は、らいてうの家とちがって東北本線の白坂駅から徒歩15分という便利さです。でも行ってみると東京から新幹線で新白河まではあっという間ですが、そこから一駅の白坂駅への乗継ぎには何時間も待つ時があり、往生しました。それでも何回かよったでしょうか。そのたびに小渕さんをつかまえて「運営費はどうやっているの?」と聞くのですが、「それは企業秘密」と笑われ、「ワタシはワーキングプアです」と冗談で交わされてしまったことを思い出します。

わたしはその時、自分がもっと若かったら、そして老いつつある夫がいなかったら自分もらいてうの家に「住みついた」かもしれないと思いました。でも夏は「熊が出る」とおどかされ、冬はらいてうの家も閉館するほどの寒さゆえ「凍死する」と忠告され、それでも一時は上田駅からバスで上がれる旧真田町に自費でアパートを借り、そこからなら車で送迎してくれる会員さんがいるので数年間月に何日かは「住みついた」こともありますが、経済的にも体力的にも力尽きて「撤収」しました。小渕さんのような若い方が「福島まで来ちゃうと、首都圏のニュースには出なくなる」とぼやきながら、白河に住みつき、地元に溶け込んでいく姿はわたしにとってまぶしいほどの存在でした。

そしてあの東日本大震災と福島原発事故以降、ここは「原発災害情報センター」を立ち上げて原発反対運動の一つの拠点となっているのです。昨年3月郡山で開かれた東京電力福島第2原発の廃炉を実現し、原発ゼロの日本へ福島から広げていこうと県民大集会では、小渕さんが呼びかけ人の一人として挨拶をしました。

そうやって地域の課題に取り組んできたアウシュヴィッツ平和博物館の15周年に、これはまた途方もない企画です。駐日ポーランド大使でもあったヤドヴィガ・ロドヴィッチさんが書き下ろした新作能を白河市内で上演するというのです。津波で息子を失った男がアウシュヴィッツを訪ね、そこで日本人ガイドに案内されてアウシュヴィッツで殺された青年と出会うという構成で、ヒロシマも登場するそうですが、日本の伝統芸能のかたちをとり、震災への思いを詠んだ天皇皇后の「和歌」もとり入れながら20世紀の「負の遺産」を繰り返してはならないと訴える内容です。

5月20日、白河まで観に行きませんか?

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